戦う税理士 小栗のメールマガジン 

「「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」の概要がわかってきました」No.1010

皆さん、こんにちは!戦う税理士の小栗です。

年間を通して事業承継に関するセミナーのご依頼は多いのですが、

その際に必ず話してほしいと頼まれるのが、

今後の自社株評価がどのようになるのかについてです。

このメルマガでも何度が取り上げておりますが、

現在「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」が

毎月行われており、

年内には何らかの指針が出る予定となっています。

そのような中でも少しずつですが、

問題とされている事項がわかってきております。

ということで今回の

「難しくてためになる話を優しく解説」するメルマガは、

「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議の概要がわかってきました」 です。

現段階では断定的なことは言えませんが、

今回の報告書では具体的に問題視されている

節税スキームが紹介されています。

簡単にご紹介をしておきますが、

どの手法も現法令下では合法的なものばかりです。

実務家としてはどこが「租税回避なのか?」と

首を傾げる部分もあるのですが、

今後の改正ではこれらのスキームを直接的に封じ込める

ということもあるのかもしれません。

事例1
【子会社の会社規模操作による株価圧縮(純資・類似併用⇒類似)

→ 上場会社株式を現物出資でX社を設立。

その後、M&Aや株式交換でX社を資産管理会社のY社の子会社にした上で、

上場会社株式をY社に移すことで評価を圧縮。

評価額:▲100億円 税額:▲55億円

事例2
【配当還元方式を利用できる株主の作出】

→創業者一族は、資産管理会社となるHDを設立し、

株式交換により事業会社を子会社化する際に無議決権株式を大量発行。

評価額:▲19億円 税額:▲10億円

事例3
【会社規模操作による株価圧縮(純資⇒類似)】

→ 純粋持株会社のX社を設立し、

株式交換によりY社(事業会社)をその傘下に置く。

Y社は、多数の海外子会社から受領する配当を大幅に増やし、

海外子会社から資金を吸い上げ、海外子会社の株価低下・Y社の現預金増加

評価額:▲20億円 税額:▲10億円

事例4
【子会社(類似)からの循環貸付により親会社(純資)の株価を圧縮】

→HD法人の設立とともに、個人資産をHD法人に移転させ、

株式交換によりA・B法人を子会社化。

HD法人は、子会社(A・B法人)への現金寄附、

子会社からの借入れを循環的に行い、債務を大幅に拡大。

評価額:▲65億円 税額:▲35億円

事例5
【オペレーティングリースを活用した株価の圧縮】

→X社は金融機関から資金を借入し、

海外法人から航空機(中古)を取得。

当該海外法人との間でオペレーティング・リース契約(5年間)を締結。

評価額:▲10億円 税額:▲5億円

事例6.7省略

事例8
【法人が貸付用不動産購入の3年経過後に株式を移転】

→HD会社は金融機関の借入れにより貸付用不動産を購入。

不動産購入後、4年6か月が経過するまで当該不動産を継続保有。

評価額:▲5.4億円 税額:▲3.0億円

どれも数十億円から数億円規模の節税をした事例が紹介されています。

事例8などはホールディング会社が不動産を購入したことが問題視されております。

どこまでが課税の公平で、どこからが租税回避なのか、

線引きが難しいですが、

有識者会議の行方(結論)が待たれるところです。

続報が入りましたら、またこのメルマガでお知らせいたしますね。

では、次回もお楽しみに。

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