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戦う税理士 小栗のメールマガジン
「相続後に受けた借金の免除は一時所得になると知っていましたか?」No.1009
皆さん、こんにちは!戦う税理士の小栗です。
つくづく税務の解釈は難しいなと思う判例が続いています。
メルマガのタイトルが分かりにくくて申し訳ありません。
簡単に言うと借入金の返済を免除してもらったら
お金も入ってきていないのに所得税がかかるのか?という話です。
ということで今回の
「難しくてためになる話を優しく解説」するメルマガは
「相続後に受けた借金の免除は一時所得になると知っていましたか?」 です。
この事件は、個人的に少し注目をしておりました
・亡くなったお父様が生前に銀行から約16億円を借りていた
・銀行との和解で6億円強を支払えば、残りの9億円強を免除するとの和解があった。
・お父様が亡くなり、9億円の借金を子供は相続した。
・相続税の申告で、この借金は免除されるのだから債務の控除はしなかった。
このような事例です。
相続の専門家として、流れを見るとおかしなところはありません。
むしろ借金が確実な債務ではないと判断して
相続財産から控除しなかったことは正しい判断であったと思います。
ところが、この9億円の債務免除について、
9億円を得したのだから一時所得として相続人は納税をしなさい
と税務署から指摘がありました。
当然、相続人は支払うお金もないと裁判になったわけです。
途中経過は飛ばしますが、
地方裁判所では納税者は負けてしまいました。
高等裁判所では、借金を控除しなかったことで多額の相続税を支払っているのに、
免除を受けた時に所得税がかかるのは2重課税でおかしいと主張して勝訴しています。
私の意見もどちらかというと、この高等裁判所寄りの考え方です。
ところが最高裁判所では、
2重課税には当たらず非課税でもないので矛盾はしない
ということで高等裁判所に差し戻されてしまいました。
まだ6月になってからの判決です。
さて、このケースは何が問題なのでしょうか。
法律的な解釈はおいておきまして、
問題の所在は「担税力」にあると私はみています。
担税力というのは、ようするに
税金を支払うことができる能力(資力)ということです。
生前に多額の借金をしていて、それを銀行が5割以上の免除をするのですから、
支払い能力はすでになかったのだと思います。
たしかに借金の免除を受けたことで経済的に得をしたというのはその通りだと思いますが、
免除を受けてもお金が増えるわけではありませんから
「担税力」は増えていません。
高裁でも同様の趣旨の判決が出ています。
相続税とのバランスを考えても非課税になってもおかしくないケースだと思いますが、
最高裁では高裁に法令違反があると言っています。
まだ確定をしたわけではないですが、
なにかもやもやとする判例の気がします。
今回も少し難しい話になってしまいましたが、
このようにして税務の実務は行われているんだということを
知ってもらえると幸いです。
では、次回もお楽しみに。
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