本日の小栗キャップのNews Letter 
「退職金化も対策です」

M&Aで今年だけの富裕者所得

 何十年にもわたり育み成長させてきた会社をM&Aで売却することになったら、何十億円かの値段になったりします。しかし、この値段は、何十年にもわたる長期所得そのものなのに何の配慮もなく、その年だけ臨時に富裕層課税対策の対象にされてしまいます。

そんな中で、唯一、検討可能なのは、M&A価格の一部の退職金化です。それが、ミニマム税制度の適用において、どんな効果を発揮するか、検討します。

シミュレーションしてみると

10億円のM&Aで、40年勤続2,200万円の退職所得控除の場合の試算です。

株式代価 退職金 所得税計 ミニ税

10億円  0   1.50億円   1.005億円

9億円  1億円  1.48億円  0.844億円

8億円  2億円  1.55億円  0.619億円

7億円  3億円  1.63億円  0.395億円

6億円  4億円  1.70億円  0.170億円

5億円  5億円  1.77億円   0円

4億円  6億円  1.85億円   0円

3億円  7億円  1.93億円   0円

2億円  8億円  2.00億円   0円

1億円  9億円  2.08億円   0円

 所得税計とミニマム税との合計は、ミニマム税が0になったところで、最低で、その後増加します。

 ミニマム税に対しては、この通り、退職金化が効果を発揮することの確認ができます。効果の主因は、退職所得が2分の1課税なので、所得全体を圧縮するからです。

ミニマム税算式を組み替える

もっと、一般化した情報にしたいと思います。次は、令和9年以降のミニマム税算式です。

(A)基準所得金額:(B)基準所得税額

ミニマム税=(A-1.65億円)×30%-B

 M&A価格Y、退職給与X、(Y-X)を株式譲渡価格、退職所得控除Kとして、算式中のAを、<(Y-X)+(X-K)÷2>に置き換え、Bを<0.15(Y-X)+0.45(X-K)÷2-4,796,000>に置き換えます。

置き換え後、ミニマム税を0として、算式を展開整理すると、次式に整理されます

X=(0.15Y+0.075K-44,704,000)÷0.225

 この算式に、Y=10億円、K=2,200万円を代入すると、X≒4.75億円になります。この時、手取額が最大になります。

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