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戦う税理士 小栗のメールマガジン
「同族会社でオーナーから会社への貸付金は税務上注意が必要です」No.996
皆さん、こんにちは!戦う税理士の小栗です。
今年も残りわずかとなってきましたが、私の身辺は年明けからの繁忙期に備えて
トップスピードに乗るための準備に余念がありません。
皆さんは年内の仕事の目途はついていますでしょうか。
さて、最近の税務裁決事例で気になるものがありましたので皆さんにもお伝えをしておきます。
同族会社でオーナーが会社に貸付を行っていることはよくあります。
銀行から借りるよりもオーナーから低利で(あるいは無利息)借りた方が
会社にとっても有利なので決算書に役員借入金という科目がある会社も多いです。
これが問題となっているという話です。
ということで今回の
「難しくてためになる話を優しく解説」するメルマガは、
「同族会社でオーナーから会社への貸付金は税務上注意が必要です」です。
通常は、オーナーから無利息で借入を行っていても
相当多額でない限りは法人側で問題となることはありません。
支払っていない利息が利益となるとしても、会計的には同額の支払利息が発生するからです。
ですがオーナーの側から見ると、受け取っていない利息があるのだから
それは所得を不当に減少させているという理由で
所得税が課されるケースが散見されているということです。
これも理論的には理解できるのですが、貸付けているオーナーからすると、
もらってもいない利息に対して課税がされるのですからたまったものではありません。
紹介されている事例は次のようなものです。
・A社(本件同族会社)は請求人(父親)の長男が全株式を保有。
B社は請求人らが議決権の3/4を保有する関連会社。
・A社はB社株式を約30億円で取得するため銀行借入を行ったが、
その後請求人から無利息・無期限・無担保で約23.4億円の貸付を受け、
これと配当を原資に借入金を返済した。
・税務当局は後に、類似条件の金融機関借入の利率
(日本円TIBOR+α)を参照して利息相当額を計算し、
請求人の雑所得に算入する更正処分を行った。
というものです。
30億円という大きな金額ですから、
それは問題になるだろうという見方もありますが、
多額だろうと少額だろうと適用される法律は同じなのですから
多額だから問題だという議論も筋違いに思えます。
根本的には何が問題なのかということを考えないといけません。
裁決事例を読むと、無利息にしなければならないほど
会社は資金繰りに困っていなかったということが問題にされています。
また、貸付条件(多額・無利息・無担保・無期限)というのが、
通常の商取引としては不自然極まりないということも指摘しています。
つまり、このメルマガでもよくお話をしている「経済的合理性がない」ということなんです。
お金に困って銀行にも頼めず、しかたなくオーナーが身銭を切って
会社を応援しているというケースは当然問題ありません。
しかし、銀行から借りると金利が高いので、たまたまオーナーに資金があるのでそれを借りた
という理由だけではリスクは残るということです。
ではどうしたらよいのか。
これはケースバイケースですから一言では説明ができませんが、
少なくとも「資金使途、返済計画、調達金利」これらを総合的に考えて
税務当局に説明のできる資料を作成しておくことは最低限必要だと言えるでしょう。
長年問題にされていないから、今後も問題ないはずだ
といった考え方では今のAI調査が主流になりつつある税務調査には
対応できなくなっているのかもしれませんね。
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