外貨建て生命保険を使いこなしていますか?

こんにちは。

戦う税理士の小栗です。

2022年も残りはあとわずかです。

まだまだ忘年会シーズンというには寂しい年の暮れですが、

やり残したことはないでしょうか。

年末から年始にかけては

政府の税制改正大綱を読み込まないといけませんから、

私のお正月は今年も勉強です。

今年も132頁の大作ですから結構時間がかかりそうです。

皆さんに

影響のありそうな改正もありますから、

このメルマガでの続報を期待していてください。

さて、今日の「難しくてためになる話を優しく解説」するメルマガは

「外貨建て生命保険を使いこなしていますか?」です。

将来の相続対策や保障のために

生命保険に加入しているという人も多いでしょう。

最近は円安が進んだという事もあり、

運用を兼ねて外貨建ての生命保険を選ぶという人も増えています。

運用益だけではなく

為替差益も得ようという事ですね。

これはこれで正解だと私は思っていますが、

メリットをちゃんと理解していない人が多いような気がします。

今日はそんな方のために

外貨建て生命保険を解約する時に発生する

為替差益について話してみましょう。

通常、生命保険を解約した時の課税は

所得税で「一時所得」になります(一定の条件はあります)。

円で払い込んで

円で受取った時にはこれで課税は完結です。

一時所得は50万円の特別控除をした後に

2分の1にすることができますから、

通常の所得に比べると随分有利になっています。

しかし、外貨建ての場合には

外貨で積立てた保険を円で受け取りますから

そこに為替の差損益が発生します。

ここでちょっとした勘違いが発生します。

為替の差損益は雑所得という事になっているので、

あたかも一時所得の部分と

総合課税の雑所得の部分を分けて

計算をしなくてはならないという事で

2種類の計算をすると

その分だけ所得が増えて

税金が多くなってしまいます。

ではどうするのが正解なのでしょうか。

これは為替差損益の部分も含めて

一時所得として計算をすればよいという事です。

通常の外貨預金を

円に転換した場合には雑所得ですが、

生命保険を解約した時の為替差損益は

その時の為替のレートで計算をしますから、

為替の部分を含めて一時所得になります。

ですから、

全体を2分の1にすればよいのです。

ちょっと分かりにくいかもしれませんが、

円で計算をしても

外貨建てて計算をしても同じ答えになります。

ですが、

実際にはそれほど簡単でもありません。

今のように為替が大きく変動する場合には、

解約した後のお金を

外貨で持っておくべきなのか

円にしておくべきなのかによって

損得勘定はかなり変わってくるでしょう。

いずれ海外旅行に行く予定があるから

外貨のままにしておこうと思って保有していたら、

円高が進んで価値が減ってしまったという事もありえます。

特に今年は急激な円安から

円高へとかなり変動をしています。

とりあえず円に換えておいて

円安のメリットを享受した上で

円高になったところで外貨に再度変えようとか

少し工夫をすることで

節税だけではなく

価値もかなり変わることになります。

まあ、

「そんなにうまくいくのなら誰でもやっているよ」

と言われてしまうと反論もできないのですが、

外貨建ての投資商品が増えていますから、

これを機会にもう少しだけ

為替の税金のことも

勉強をしてもらうといいかもしれないですね。

では、次回もお楽しみに。

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